Dearest

12・1年の終わりと始まり

今日も子ども達はリビングで喧嘩をしていた。



「やっぱ紅白でしょ♪」

「格闘技だろ!」

「カウントダウンライブがいい」



子ども達は、今夜の大晦日の特番の何を観るかで喧嘩をしているのだった。


趣味が全く異なる3人は観たい番組も全く違う。




「じゃあ多数決にしよう。ラヴとアキは何観たい?」



話が進まない事に痺れを切らしたレオンが、ソファに座るラヴと洗濯物を畳むアキに問う。



「私は何でもいいですよ」

「ラヴはアテにならねぇな。この無関心男!で、アキは何が観てぇんだ?」

「あたし?あたしは毎年大晦日は何観てたっけなぁ。…あぁ、あの地方のお寺で除夜の鐘突いてるのを放送してる番組がいいな」

「ババくせぇな」



アキは畳んでいたラヴのトランクスをアシュリーに投げた。




「ねぇねぇ。除夜の鐘ってなぁに?」

「除夜の鐘知らないの?…外国は確か花火あげるんだもんね、そりゃ知らないか」




アキは洗濯物を床に置くと、レオンを膝の上に乗せて話し始めた。
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