Dearest
「除夜の鐘はね、煩悩を取り除く為にお寺で除夜の0時をはさんで108回つく鐘のことよ」


「煩悩って?」


「心身を悩まし煩わせる心のこと。欲望とか怒りとか憎しみのことよ。今年出来た煩悩を新しい年に持っていかないようにするんだよ」



アキの説明がいまいち理解出来ないレオン。




「除夜の鐘は、the temple bell toll on New Year's Eveと言います。その言葉だけでも理解出来れば今はいいですよ」



ラヴの言葉に頷くレオンは、番組合戦を再び始めた。




「もうジャンケンで決めなさいよ。勝った人の観たい番組観ればいいでしょ?文句なしよ」

「名案だねアキ♪よっしゃー!出さなきゃ負けよ最初はグー、ジャンケンポンっ!!」



子ども達はジャンケンをした。




「…僕の勝ちだ」



ジャンケンに勝ったのはサミュエル。


不服そうなアシュリーとレオンが騒ぐのを見ながら、アキは年越しそばを作りにキッチンに向かった。




「蕎麦〜♪蕎麦は体にいいのよ〜♪♪茹でるだけで作れるから簡単ね〜♪」



アキが変な歌を歌っていると、ラヴがキッチンにやって来た。




「どうしたのラヴ。紅茶のおかわり?」


「いえ。今日0時になったらみんなで初詣に行きませんか?」


「わっいいね♪行きたい!あたし夜中に行った事ないんだよね」


「では決まりですね」




ラヴは微笑むとリビングに戻っていった。
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