Dearest
年越しそばを食べ終えた5人はコートを着てマフラーを巻くと、近所の神社に歩いて初詣に向かった。



「はぁ…寒いねっ。雪でも降ってきそう」

「そうですね。でもアキと繋いでいる手は温かいです」



ラヴのコートのポケットの中で繋がれる2人の手。


アキは去年の自分がラヴに会いたくて寒い冬を1人で過ごしていた事が嘘みたいに思えた。




1年という歳月は短いが、世界を変えるには十分な時間。




「…去年のあたしならきっと、また今年も1人寂しく新年を迎えるんだろうなって思ってたよ。まさかたった1年でこんなに世界が変わるなんて想いもしなかった」


「私もですよ。だから今こうしていられる事が幸せです」



ラヴとアキが微笑んでいると、子ども達の歌声が聞こえてきた。




「も〜幾つ寝るとお正月〜♪お正月には餅焼いて〜海苔かキナ粉か迷いましょう♪早く焼けろよお餅たち〜♪」

「何、その歌!全然歌詞違うけど!!」



ラヴとアキが子ども達の歌を聞きながら笑って歩いていると、段々と神社が見えてきた。



深夜だというのに沢山の人で溢れかえっている。
< 150 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop