Dearest
「Beautiful my loved wife…」

「ラヴ…」



ラヴがアキの頬を引き寄せ、唇が重なるまであと数センチの時…




「わわっ!!!!」

「いってぇ!!!!」



学校から帰ってきて、覗き見をしていた子ども達がリビングのドアから雪崩込んできた。




「もー!アシュリーが押すから倒れちゃったじゃんか」

「レオンが陣取るからだろ!!」

「…もう少しだったのに」



子ども達はキスが見れなかった事が不服だったのか喧嘩を始めた。




「ちょっと…!覗かないでよ!!悪趣味3兄弟!!」


「あと数センチだったのですが…邪魔されてしまいましたね」



真っ赤になって怒るアキの頭を撫でながら、ラヴは微笑んでいた。




「あっ!そうだ。あんた達まだ英語話せる?」

「英語?話せるに決まってんだろ」

「そうだよね。一応母国語だもんね」

「まぁ、今は日本語の方が話しやすいけどな」



アシュリーがそう言うと、レオンとサミュエルも頷く。




ふと気になったアキの素朴な疑問は解決された。


……と思いきや。





「じゃあ日本人とイギリス人どっちが好み?どっちが楽しい?日本語は全て理解出来るの?」

「…お前疑問持ちすぎだろ。何が知りたいんだよ」




アキのどうでもいい疑問は絶え間なく続くのだった。
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