Dearest

2・同じ風景

ある日の休日。

アキは新聞のチラシに食いついていた。




「何かいい広告でもあんのか?」


アシュリーはアキの横でテレビを見ながら問い掛けた。




「そうなのよ!だから5人で一緒にスーパー行くわよ!!」

「は?なんでスーパーなんだよ!?」



アキはアシュリーに広告をかざした。



その広告はすぐ近くのスーパーの広告で、『タイムセールお一人様一会計につき全品30%オフ』と大きく見出しに書いてあった。




「ラヴもサミュエルもレオンもついてきてくれるでしょ?」

「はい、母さんの頼みならもちろん」

「行く―♪」


サミュエルとレオンは快く返事をする。




「ラヴは?」

「仕方ないですね」


ラヴも渋々了承した。




「てなワケで、強制的にアシュリーも行く事になりました」

「どんなワケだよ!!」



アキに言いくるめられたアシュリー。



5人は早速スーパーに向かう事にした。





5人が仲良く並んで歩いていると、前からお隣の家のおばさんが歩いてきた。



「あら、アキちゃん達。お揃いでどこに行くの?」

「こんにちは。ちょっとそこのスーパーまで」



アキはおばさんと世間話をし始めた。




「お子さんがみんな美形で羨ましいわぁ。ご主人もあんな男前だし。うちの主人なんかただのしょぼくれたオヤジよ〜。おほほほ。アキちゃんも若くて綺麗だしね」


「やだ奥様、お上手なんだから」




甲高い声で、おばちゃんと笑い合うアキを見つめる4人。
< 174 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop