Dearest

「どうしたの？アシュリー。すっげ不機嫌だけど」



サッカーのDVDを観ていたレオンは、不機嫌な形相で隣に座るアシュリーに問い掛けた。




「アキのダチが来てんだよ。しかも、男！」

「あぁ、幼なじみなんでしょ？幼稚園から高校までずっと一緒だったらしいよ」

「詳しいな、レオン。情報通なだけあって変なとこ賢いよな、お前」



レオンは得意気にピースサインをアシュリーに掲げた。




「なぁ、この事ラヴに言った方がいいと思うか？男と密会してたって」


「言わなくていい。幼なじみなら気が許せる相手ではあるけど、体の関係はないだろう」



淡々と話すサミュエルを睨むアシュリー。




「まぁ言ってもいいけどさ、言ったらラヴ、仕事すっぽかして帰ってくるよ。そしたら俺ら貧乏一家になるよ」



心配するとこ違うだろ！レオン!!


と、思ったアシュリーとサミュエルだが、今日の事はラヴには秘密にしておくことにした。




こういう所は、変に出来た息子たちなのだった。