Dearest
「雪合戦開始〜♪」

「やりましたね、レオン」



ラヴとレオンは雪合戦を始めた。



アキも2人に連れられ雪玉を作ると、固まっているアシュリーとサミュエルに投げた。




「冷てっ!やめろ、アキ!!寒みぃんだよ!!」

「動いた方が温かいよ」



アキはそう言うと、再び2人に雪玉を投げた。




いつの間にか5人で雪合戦をし始めたエンドロール家。


雪まみれになりながら走り回る姿は、まるで子どものよう。




雪合戦に疲れた5人は円のように頭を向き合わせて、地面に寝そべっていた。



視界には灰色の空から舞い落ちる白い雪と、自分が吐く白い息しか映らない。




風に靡く赤いマフラーが5人を繋ぐ絆に見えてアキは何故か泣きたくなった。



「俺たち本当に仲良しだよね♪」

「まぁ…この歳でこう家族でハシャぐ家族はそうはいねぇな」

「ずっと…このままでいたい。ずっと5人でいたいよ」



アキがそう呟くと、子ども達はアキを見つめた。



今にも泣きそうなアキを見ながら微笑む子ども達。




「大丈夫だよ、アキ」



子ども達の声は、灰色の空に吸い込まれた。
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