Dearest
「甘ったれなのは変わってないようね、レオン」


母はレオンの頭をポンと叩いた。




「サミュエルもしっかりした顔つきになって。あんな可愛い顔してたサミュエルもすっかり男らしくなったわね」



母にそう言われたサミュエルは微笑む。




「アシュリーは随分と背が伸びていい男になったじゃない。モテるでしょ?」

「…女には興味がないから」

「あら、それは変わってないのね」



母とアシュリーは微笑み合う。


母は暫く庭で話し込んでいた5人を部屋へと案内した。




「ごめんなさいね。部屋が一室しか空いてなくて5人で一部屋になっちゃうけど、布団は全員分持ってくるから我慢してね」



母はそう言うと部屋を後にした。



懐かしい施設をきょろきょろ眺めている子ども達。




「ねっ!ねっ!久しぶりのイギリスだし、街に行こうよ」



興奮しているレオンに連れられ、5人はロンドンの街へと足を運んだ。




「あっ!まだあのお菓子屋あるんだ♪」

「おい。あんまりウロウロしてっと迷子になるぞ、レオン」



久々の故郷が嬉しいレオンは、はしゃぎ回っていた。


レオンに呆れるアシュリーと、そんな子ども達を見て微笑むラヴとアキ。





すると、ある建物の前で子ども達が立ち止まった。




「どうしたの?何か欲しい物でもあった?」



子ども達が立ち止まっているその建物は空き家になっていた。
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