Dearest
「はい。意気消沈している子ども達に何て言葉を掛けていいのかわからなくて。逃げてきてしまいました」

「あたしも同じだよ」



２人は空を見上げる。




空は子ども達の気持ちを表してるかのように曇っていて、今にも雨が降りそうだった。



「私もあの店は思い出の場所でした。初めて誰かにワガママを言って何かを買って貰えた特別な場所でした。…だから子ども達の気持ちはよくわかります。辛いです」


「…時は残酷だよね。簡単に誰かにとっての大切なものを消しちゃうんだもん」


「はい。…子ども達も元気になってくれるといいんですが」



２人はベンチに座りながら、考え込んでいた。




「ねぇラヴ。こういうのは無理かな？………………。」

「それはいい考えです」



アキの話を聞いたラヴは頷き、２人は街へと走っていった。





数時間後。


「ラヴとアキはどこ行ったんだ？」



部屋でテレビを見ていたアシュリーが呟く。



「そういえば帰ってこないね」



レオンがそう言うと３人の携帯が鳴る。


３人が携帯を見るとアキからメールが届いていた。




『あのおもちゃ屋の前で待っています』


という内容だった。




３人はワケが分からないまま、外へと出掛けた。
< 269 / 596 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop