Dearest

21・祝福の音色

今日のエンドロール家には、鮮やかなピアノの音が響いていた。



そのワケは


掃除をしていたアキがリビングの奥にある久しく置いてあっただけのピアノの存在に気付き、久しぶりに弾いていたからだった。



保育士だっただけあり、アキのピアノの腕前は中々のもの。




ふと気付くと、ソファに座っていたラヴがアキのピアノに適当な歌詞をつけ歌っていた。



「アキがピアノを弾いています〜♪上手ですね〜♪さすが私のアキです〜♪」


「…何、その歌詞！」



ラヴのヘンテコな歌に笑ったアキは、ピアノを弾く手を止めた。




「私の思いを歌にしたまでです」

「ラヴはセンスないな」

「本当だ。音楽に失礼だ」




リビングにやって来たアシュリーとサミュエルはラヴの隣に座る。