Dearest

アキのピアノに合わせサミュエルはドラムを叩き、レオンは踊る。


その横でぎこちなくアシュリーはベースを弾いていた。




それに合わせ、ラヴは即興で作った創作歌詞を口ずさむ。



『大切なもの
それは愛する恋人
それは愛する息子
それは愛する家族

かけがえのない絆。


守るべき大切な存在が出来た途端、臆病だった私は強くなれた。


私の孤独だった世界は

いつの間にか色とりどりの温かい世界に変わっていた。


この幸せを大切にするから、どうか君達も幸せになって下さい。

私はずっと祈ってる。
ここで…

大切なDEAREST』



演奏が終わると５人は知らぬ間に拍手をしていた。




「すごーい！バンドみたいだったね」

「アシュリーも初めての割に中々だったな」



暫く感動に浸る一家。


そんな中ラヴが口を開く。




「今度、年に一度世界の映画賞や主演俳優賞などを決めるあの有名な催しに私も主演男優賞としてノミネートされているのですが…
もし賞を受賞したらステージで皆さん演奏していただけませんか？」




ラヴの言葉にアキと子ども達は目を見開いて固まった。