Dearest

6・見えた心

アキは毎日のようにラヴの部屋に行くようになっていた。


何をするのでも、話すのでもなくただ一緒にいるだけの2人。


アキはそれだけでも幸せだった。




「最近仕事大変そうだね。テレビでラヴいっぱい観るもの」

「はい、でも仕事を頂けるのは光栄な事ですから大丈夫です」



ラヴはソファに座りながら本を読んでいた。

そんなラヴを見つめるアキ。



灰色の瞳にかかる長い睫毛。
白い肌に映える漆黒の髪。
長い指。


ラヴを形作るものが好きで仕方ないアキ。




「ラヴはさ、漫画に出てきそうなくらいカッコいいよね」



アキがボソッと呟くとラヴは驚いた顔でアキを見る。




「漫画は読まないのでわかりませんが、私は格好良くありませんよ?…冷酷な人間ですし」


「冷酷?ラヴが?」


「はい。自分を嫌い他人も嫌う…。孤独を愛する冷たい人間です」
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