Dearest
観覧車から降りると、レオンが見つけたプリクラの機械の中に入る5人。



そこで5人は、最初で最後になるプリクラを撮った。




そのプリクラは後日、5人の携帯とリビングに飾ってある写真の隅に貼られる事になる。




夜の遊園地は綺麗にライトアップされていて、昼間とは違う姿を見せている。



「あたし、メリーゴーラウンド乗りたい」

「俺ら男だから恥ずかしいよ〜。ラヴと2人で乗ってきな♪見ててあげるから」



子ども達に否定されたアキは、ラヴと2人で最後にメリーゴーラウンドに乗ることにした。




「…ラヴ、メリーゴーラウンドは1人1台乗るものだと思うけど」



何故か1つの馬に2人で乗っているアキとラヴ。


周りからジロジロ見られ、恥ずかしがるアキ。




「アキが私の膝の上に乗れば問題ありません。乗れますよ」

「そういう事じゃなくてさ」



アキが降りようとすると、メリーゴーラウンドは動き出す。




「ほら、危ないですから」



渋々頷くアキを抱き上げ、ラヴは膝の上に乗せる。


陽気なメロディーと共にゆっくり動くメリーゴーラウンド。



アキはラヴが白馬に乗った王子様に見えた。




「ラヴ、騎士みたいでカッコいい」

「knightですか?…アキに仕える身なら嬉しいです」



アキがラヴを見上げると、ラヴはキスを落とした。


口を離すとラヴは真っ赤になって目を見開くアキに笑う。



「あれ?キスをしたかったのではないんですか?」

「違うよ!」



2人は優しく揺れる白馬の上で笑い合っていた。
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