Dearest
「…何か観た事あるな、これ」

「おにーちゃんもすきなの?」

「好きなワケねぇだろ。それに俺はおにーちゃんじゃない。アシュリーだ」

「あちゅり?」

「違う。アシュリー」



達也は首を傾げると、『あちゅり』と連呼し始めた。


面倒くさがりなアシュリーはそれでいいと否定するのをやめた。




「これね、ひゅーってとんできて、ばぁーっててきをたおすんだよ」

「何言ってんのかわかんねぇよ」

「だからね、ひゅーってきて、ばぁーってたおしてね。そいで…」



アシュリーは手振り身振りで説明する達也を見て、優しく微笑んでいた。





「ぶっ……!!!!」



いきなり誰かの噴き出す声が聞こえたアシュリーと達也は同時に振り向いた。



振り向いた方を見ると、口とお腹を押さえたアキとレオンがドアから覗くようにして立っていた。




「ふっ…アシュリー、達也くんの…へっ……面倒見てくれてたのね…ふふっ」

「ただいま、アチュリくん」



レオンがそう呟くとアキとレオンは床にうずくまり、声を出して笑い出した。




「あははは!!やめてよ、レオン!それは反則だよ!!あははは!!!!」


「だってだって!!アチュリって…!アシュリーがっアチュリ!!ぎゃははははは!!!!」




2人はバタバタと足を振りながら笑っていた。
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