Dearest
アキは普段あまり見る事のないアシュリーの笑顔に見とれていた。



「何じろじろ見てんだよ」

「今日アシュリーよく笑うなって思って」

「…まぁガキは嫌いじゃねぇからな」



アキが意外なアシュリーの一面を知り、微笑ましく思っていると達也が呟いた。




「あちゅりとおばちゃんは、ふーふなの?」

「ん〜違うよ?そう見える?」



アキがふざけてそう言うと達也は頷く。




「うん。らぶらぶにみえる」

「ラブラブって言われてもあたしはラヴとラブラブよ」



アキの言葉に首を傾げる達也。


アシュリーは3人しかいないこの一時が、家族に見えて嬉しかった。



アキが自分の妻で
達也が2人の子ども。


思い描いた理想そのものだった。




「アシュリー、達也くんと散歩にでも行ってきたら?」

「は!?何でだよ、面倒くせぇ」

「おさんぽいくー♪」



達也がそう言うとアシュリーは渋々頷いた。


達也に靴を履かせ、手を繋いで外へ出掛けたアシュリー。




「何だかんだで優しいのよね、アシュリーは」



アキはすっかり父親気分のアシュリーを見送った。
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