Dearest
桜井先生は穏やかな表情で微笑んだ。


私はこの時先生が母親のように見えた。




私は白いこの施設を黒くしてしまったのではないだろうか。



でも桜井先生


確かにあなたの娘さんに出会ってからは、綺麗な世界に変わりましたよ。



アキを産んで下さってありがとうございます。





「私はこの施設にいる捨て子だった3人を、私とアキと住ませたいと考えてます」


「え?」


「彼らは私と同じ捨て子です。私が一番理解してあげられます。私は彼らにも幸せになってもらいたい。…だから引き取らせてください」



私は驚く先生に頭を下げた。



暫く無言が続いた後、先生は私の肩を優しく叩いた。




「ラヴなら任せられるわ。でもアキが何て言うか…」


「アキは私に『愛』を教えてくれました。誰も愛さない、愛されなくてもいいと思っていた私にです。必ずあの子達にも愛を注いでくれます」



私がそう言うと、先生は微笑みながら頷いてくれた。









誰かを愛する事
誰かに愛される事


ただそれだけで、こんなにも幸せになれるんだとアキが教えてくれました。




これからの人生は

きっと幸福の色で染まっていく。



アキといれば…。













Luv=Endroll side story,end.
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