Dearest

3・side of Ashlee

いらなかったなら
産まなければよかったんだ。


勝手に孕まして…
勝手に産んで…
勝手に捨てる。


女なんて信じない。
人間なんて信じない。










物心ついたばかりの俺は、ここが普通でいう“家庭”ではない事に気づいていなかった。



ホワイトガーデンを家だと思っていたし、先生達を親だと思っていた。


そして他の子ども達を兄弟だと思っていた。


それで幸せだったんだ。




「アシュリーって捨て子なんだって!ホワイトガーデンの前に捨てられてたらしいよ」


「じゃあアシュリー=ウィリアムズって本名じゃないんだ」



子どもだからか、気遣いを知らない奴らの言葉で俺の中の何かが目覚めた。



それは憎悪。


人間が憎い。
俺を産んだ女が憎い。




それからだ。
俺の女嫌いが始まったのは。




「アシュリー、遊ぼう」

「女とは遊ばねぇって言ってんだろ」



女はバカだ。


勝手に男と体を重ねて勝手にガキ作って、勝手に産んだくせに捨てやがる。
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