Dearest
「ただいま帰りました」



ラヴの声が聞こえ、アキは玄関に走っていく。




「おかえりなさい、ラヴ」

「子ども達は今日も帰ってきてないんですか?」

「うん。アシュリーは撮影が長引いてて、サミュエルはライブで地方行ってるし、レオンも試合で遠征してるから」



ラヴは子ども達が仕事を始めてから、家に帰ってくるのが早くなった。



アキの為に仕事をあまり詰め込まなくなったのだ。




「大丈夫?最近仕事あまり入れてないみたいだけど」


「はい。もう子ども達にお金は掛かりませんし、私がそんなに稼がなくても大丈夫ですよ」


「お金の心配じゃなくて、事務所から何か言われたりしない?」



アキがラヴにそう問うとラヴは笑う。




「アキはいつまで経っても優しいですね。私は大丈夫ですよ。アキの方が大事ですから」


「ありがとう、ラヴ。でもあたしも大丈夫だよ?寂しくないって言ったら嘘になるけど、あの子達が活躍する事を心から願ってるから」



そう言って微笑むアキをラヴは抱き寄せた。
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