Dearest

５・旅立ちの日

あの幸せだった日々を覚えていてね。


さよならじゃないよ。

いってらっしゃいだからね？






今日は初めて家族旅行に行った海の見える高級ホテルへと旅行に行くエンドロール家。




「さて、出発しますか」



ラヴはサミュエルと共に荷物をトランクに詰める。




「バカがまだ起きてこねぇぞ」

「えっ!?レオン、まだ寝てるの!?…もー」



アキはレオンを起こしに２階に駆け上がっていった。




「…あいつ、この前の旅行ん時もこうだったよな」

「レオンは変わっていませんね」

「まぁレオンらしいが」



ラヴとアシュリーとサミュエルは笑いながら、車に乗り込む。



暫くすると、アキに手を引かれフラフラしながらレオンが起きてきた。




アキとレオンが車に乗ると、ラヴは車を発進させる。




「アキ、体調悪くなったらすぐ言って下さいね」

「大丈夫だよ。つわりも治まったし」



ラヴとアキが話し込んでいる車内は、前回同様２列目にレオンが寝そべり、３列目の座席に仲良く座るアシュリーとサミュエルは外を眺めている。




「変わらないなぁ、あの頃と」

「変わったのは体の大きさだけですね」



子どもたちを見てラヴとアキは微笑む。


暫くすると、いつものように子ども達の寝息が車内に響いてきた。




「よく寝るし大きく育つわけだ」



体はすっかり大きくなった子ども達も、寝顔は変わらずあどけなかった。
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