Dearest
夏祭りの会場は大勢の人で賑わっていた。



「俺、金魚すくいやりたい♪」

「バカにすくえるのか?」



はしゃぎ回る子ども達を見ながらラヴとアキは歩く。




美味しそうな匂いと笛の音色、人々の声。


その中でアキは何かを見つけ、ふと足を止めた。




「射的やろー!アキの欲しいの取ってあげる……って、アキは!?」



レオンの言葉に周りを見渡す男達。


しかしアキの姿は見当たらない。




「また迷子かよ!ラヴもちゃんと見てろよな!!」

「この人込みじゃ仕方ないよ」

「手分けして捜しましょう。見つけても見つからなくても、暫くしたら入口で待ち合わせです」



ラヴがそう言うと、男達は散らばって走っていった。






「…はぁ。はぐれちゃった。あたし、なんですぐ迷子になるんだろう」



アキは設置されているベンチに座っていた。


アキの前を沢山の人が行き交う。




「寂しい…寂しい…。ラヴ…」



アキがお腹をさすりながら顔を伏せると、後ろから肩を掴まれた。




「ハァ…ハァ。アキ、腹痛いのか!?」



後ろにいたのはアシュリーだった。
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