Dearest
「アキ!!」



アキの姿を見たラヴはアキを抱き上げる。




「ラ…ラヴ!!恥ずかしいよ」

「どこかケガはしていませんか!?体は大丈夫ですか!?」

「うん、何ともないよ」



アキがそう言うと、ラヴはよかった…と呟きながらアキの頭をそっと首元に引き寄せる。




「アキ、何でいなくなったの?」



レオンがそう聞くと、アキは鞄から何かを取り出した。




「これ買ってたの」



アキが取り出したのは、キラキラ光る透明なスーパーボールだった。


男達はカクンと首を下げる。



「…んな、くだらねぇの買って迷子になったのかよ!」

「くだらなくないもん!このボールをね、大切な人と一緒に後ろを向いて海に投げると、その人達は永遠の絆で結ばれるってジンクスがあるんだって」



アキはスーパーボールを握り締めながら呟く。




「誰がそんな事言ったんだよ」

「このスーパーボール売ってた屋台のおじちゃん」

「…………」



子ども達は胡散臭いといった表情でアキを見つめる。




「まぁこれから花火しに海に行きますし、折角ですからみんなで投げましょう」



ラヴがそう言うとアキと子ども達は海と向かった。
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