Dearest
口を離すと、いきなりの事に目を見開くアキにラヴは優しく微笑んだ。



「…アキ、心配する所が違いませんか」



ラヴはアキのおでこにコツンと自分の額を寄せた。




「…死んだふりしてたの?」

「はい、アキの反応を見てみたかったので」

「そんな事だろうと思った!」



2人は暫く手を繋ぎながら草むらに寝転び、空を見上げていた。




「お弁当持ってくればよかったね。今日は絶好のピクニック日和だよ」

「そうですね。気持ちいいです」



優しい風が2人の髪を揺らす。


草の匂いに包まれ、鳥のさえずる声だけが響く場所。





暫く寝転んでいたラヴは立ち上がり、自転車を起こした。



「さて、行きましょうか」



2人は再び自転車に乗った。


アキは落ちないようにしっかりとラヴの背中にしがみつく。




背中に感じるアキのぬくもりと鼓動が心地よくて、ラヴは少し微笑んでいた。
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