Dearest
「Mrs.桜井。また捨て子かい?」

「ええ。浜辺で泣いていたの」



白い建物の中には沢山の大人と沢山の子供がいた。


そこはホワイトガーデンという乳児・孤児院だった。




「最近は捨て子はいなかったのにな」

「そうね。…それに海に捨てるなんてどうかしてるわ」



ふと、妊婦の女が赤子の手のひらを見ると何かが書いてあった。




「L…U…V?何て読むのかしら」



手のひらに書いてあったスペル。

普通に読むとルヴ。


しかし女は気付いた。




「…そうか、LOVEと書いてあったのが汗で消えてしまったのね」



女は瞳を潤ませながら見つめる赤子に優しく微笑みかけた。
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