Dearest
「アシュリーの勘が当たったね」

「ああ、そうだな」

「サミュエル抜け駆けかよ〜!まさかサミュエルに先を越されるとは」



頭を抱えるレオン。





「おめでとうございます、サミュエル。あなたは口数は少ないですが、優しく思いやりのある子です。幸せになって下さい」



ラヴはサミュエルの頭をポンポンと叩いた。



サミュエルはラヴのその仕草が懐かしくて、泣きたくなった。




「…小さい頃からよくラヴは泣いてる僕をあやしてくれた。僕はラヴが大好きだったんだ。…ありがとう、父さん」



サミュエルの言葉に優しく微笑むラヴ。





きっとあの旅行で真実を聞き、解放されたのはラヴだけではない。

子ども達もだったのだ。





大人になった子ども達が闇を抜けて歩き出した時、2度目の恋をした。



アキを母親から1人の女性として見ていた彼らは、再びアキを母親として見れるようになったのだった。




ラヴが幸せになって欲しいと願った子ども達は、自分達の手で幸せを掴んだ。



それをあたたかく見守るラヴとアキがいた。
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