Dearest
2人は車の中で他愛のない話をしていた。



「キズナは将来の夢とかあるのか?」

「夢ですか?」



キズナは眉を寄せて考え込む。




「そうですね…ラヴやアシュリーみたいな俳優になりたい気もしますし、サミュエルやレオンみたく趣味を生かせる事もしたいです。…でも私は芸能界より一般社会の方が向いてる気がします」


「まぁ、まだまだ時間はあるからな。焦る事はない」



アシュリーはポンとキズナの頭を叩いた。



自分やサミュエル達も将来に向かって歩き出したのは大学生の頃だった。



だから沢山の可能性を秘めているキズナが将来を確定するのはまだ早い。



アシュリーはそう思いながら優しい眼差しでキズナを見つめた。


将来に不安を感じる子どもを見守る親のように。





「あのさ、お前は知ってるか?」

「何をですか?」



言いづらそうに話すアシュリーを見て首を傾げるキズナ。
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