Dearest
異常が特に見られなかったアキはすぐに退院し、ホワイトガーデンへと戻った。




ラヴは片時もアキのそばを離れなかった。


正確には離れられなかったのかもしれない。



そばにいないとアキが全てを忘れていってしまう気がして恐かったのだ。





「え?ママが?」

「あぁ。でも確定されたわけじゃない。その疑いがあるってだけだ」



アシュリーはキズナにアキの病気について話した。


キズナはただ呆然と立ち尽くしていた。





「…今、アルツハイマーにかかる人は多いですから有り得ないとは言い切れません。ですが嫌です。ママに忘れられるなんて…嫌です」



震えるキズナの肩を叩くアシュリー。


アシュリーもラヴとキズナと同じ気持ちだった。
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