Dearest
「アキ、私と出会った日の事を覚えていますか?」

「何よ、いきなり。勿論覚えてるよ。絡まれたあたしをラヴが助けてくれたの」



ラヴはアキと2人、庭園のベンチに座りながら話していた。




「でも…なんでラヴとまた出会ったんだっけ?あたし…そんな頻繁にイギリスに来てた?」



アキの言葉にラヴは固まった。




「…ラヴは何でホワイトガーデンにいたの?俳優さんなのに」


「アキ、それは本当に言ってるのですか?悪ふざけだったら怒りますよ」


「…あれ…あたし、今何て言った?」



ラヴはたまらなくなってその場から立ち去った。


アキは頭を抱えながらラヴの後を追う。






ラヴは海に来た。


誰もいない静かな海は、ラヴの不安を取り払ってくれる気がした。




「…嫌だ。…アキに忘れられてしまうなんて嫌です!やだ…いやだっ!!」



ラヴは浜辺に手をつき、声をあげて泣いた。




幸せだった日々が自分だけの記憶にしか残らない。


沢山の思い出を共有する事が出来ない。



そんな現実がすぐそばまで来ている事を信じたくなかった。
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