Dearest
「起きてる時は怪獣みたいだけど、寝顔は可愛いね」


仲良く川の字で眠る3人を見ながらアキは呟く。




「アキ、何の相談もせずにすみませんでした。嫌だったらまたホワイトガーデンに連れて行きますが」


「ううん、大丈夫だよ。この子たちのお母さんになるよ、あたし」



アキはラヴに笑顔を向ける。




「アキならそう言ってくれると思っていました」

「でも何でこの3人を選んだの?施設には沢山子どもがいるのに」



アキがそう聞くと、ラヴは紅茶を啜りながら呟く。




「彼らが私と同じだったからです」


「どういう事?」


「孤児には色んな事情を持った子がいます。親が亡くなった子や、身寄りの親族がいなかったり、親が犯罪者、親の財産の関係、虐待を受けた子どもなど様々です」



いつになく真剣な顔のラヴを見つめるアキ。




「でも、私やアシュリー達の様に生まれてすぐ捨てられた子どもは、どんな親だったのか、なぜ捨られたのか、親の顔もわからず、ましては自分の本名すら知りません。一番孤独です」



アキはラヴが少し震えているように見えて、切なくなった。




「…だからこそ、同じ境遇にいる彼らには幸せになってほしいと思ったのです」



ラヴはすやすや眠る3人を見つめた。
< 71 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop