Dearest
ラヴは思い詰めた表情をするアキの隣に座る。



「アキは私に愛を教えてくれました。誰にも愛されなくていい、誰も愛さなくていいと思っていた私にです。
そんなアキですから、あの子たちにも愛を教えてあげれると思ってます」



ラヴはポンポンとアキの頭を撫でる。




「ラヴも私に愛を教えてくれたよ。…ちっぽけな私の世界を簡単に変えてくれたの。ラヴだってすごいよ」



アキがニンマリ微笑むと、ラヴは頭を掻きながら顔を背ける。




「あれ、ラヴ照れてるの?」

「照れてません」

「嘘だぁ。耳まで真っ赤だよ」



アキとラヴがじゃれ合う声で目が覚めた子ども達は、しばらく無言のまま2人を眺めていた。




「…何やってんだ?あのバカップルは」

「カップルじゃない。2人は夫婦だって」

「いちいちうるせぇな!サミュエルは」



アシュリーがサミュエルを殴ると、サミュエルが大声で泣き出した。



その声にアキとラヴは、じゃれ合う手を止めた。




「あっ!!また!!こらっアシュリー!!」



泣きじゃくるサミュエルの涙や鼻水がレオンにべっとり掛かるが、レオンは気付かずに寝ていた。




「うわぁ、レオン悲惨」



アシュリーは幸せそうに眠るレオンを哀れんだ。






こうして異様で騒がしいけれど、ハートフルな5人の家族生活が幕を開けた。
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