Dearest
「よし、これでOKかな?」



アシュリーの手当てを終えたアキはラヴがいない事に気付く。



「あれ?ラヴは?」

「ラヴなら出てったよん」

「えっ!?なんで!?」



ラヴの行動がいまいちわからないアキだが、すぐ帰ってくるだろうと思い、晩御飯の支度を始めた。




「…遅いねぇラヴ」



晩御飯の準備も終わり、台所のテーブルの前に座るアキと子ども達。




「腹減った。先食べようぜ」

「アシュリーに賛成♪」

「何言ってる、アシュリーとレオン。ラヴが帰ってくるまで我慢しろ」



しれっと言うサミュエルに、アシュリーはイライラしていた。




「ただいまです」

「あっ、帰ってきた」



ラヴの声が聞こえたので、アキと子ども達は玄関に向かう。




「どこ行ってたのよ、ラヴ。子ども達お腹空かせてるよ……って、どうしたの!?ほっぺた怪我してるよ」



微かに頬が赤くなっているラヴに駆け寄るアキ。




「アシュリー、あなたに怪我をさせた奴らに仕返してきましたよ。だからもう大丈夫です。もう誰もアシュリーを傷付けたりしません」



ラヴが何故出掛けたのかがわかったアキは目頭が熱くなった。




「仕返したって高校生5、6人いただろ?それを1人で?」


「はい、私は強いですからね。それに大切な人の息子を傷付けた罰です」


「ラヴ…」




アシュリーは涙目になりながらラヴにしがみついた。
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