Dearest
校門に着くと、先に着ていたラヴとサミュエルの姿が見えた。



ラヴは何やら保護者の母親らしき人達と仲良く話し込んでいる。

アキは少しイラッとした。




「アキ、アシュリーとレオンも終わりましたか」



アキに気付いたラヴがサミュエルの手を引いて近寄ってきた。




「…帰ろっか、サミュエル」



アキはラヴを無視し、サミュエルを抱っこして足早に歩き出す。




「……?アキ?」


ラヴはアシュリーとレオンの手を繋ぎ、アキを追い掛けた。




家に着いてからもアキはラヴと話そうとしない。


ラヴは首を傾げながらアキを見つめていた。




「アキ、何を怒っているのですか?」

「…別に怒ってない」

「怒ってるじゃないですか。私、何かしましたか?したのなら謝りますから怒らないで下さい」



ラヴがそう言ってアキに歩み寄ると、アキは逃げるようにして自分の部屋に走り去ってしまった。



アキの態度にへこみ、ソファにうなだれるラヴ。




「ラヴは鈍いな。」



そんなラヴを見てアシュリーが呟く。



「…私、鈍いですか?」



ラヴが聞き返すと3人は頷く。


そんな3人を見て、ラヴは頭にクエスチョンマークを浮かべる。
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