Dearest
「さぁ、着きましたよ」



着いたのは、海が一望出来る高級そうなホテルだった。



「高かったんじゃない?こんな高級そうなホテル。しかも海の真ん前!」

「いえ、今は夏ではありませんから高くなかったですよ」



アキとラヴは話ながらトランクから荷物を降ろす。


荷物を降ろすと、ベルボーイがやってきてロビーに荷物を運んでくれた。




「アシュリー、サミュエル、レオン。着いたよ、起きて!海が綺麗だよ」



アキの声にも反応せず、3人は熟睡していた。




「仕方ないですね、抱っこして行きますか」



ラヴはレオンを抱っこし、アシュリーをおぶる。


アキはサミュエルを抱っこしてホテルのロビーに入った。



ホテルの中は大きなシャンデリアが幾つも連なっていて、高級感を醸し出している。

アキは呆気にとられていた。




「エンドロール御一行様、ようこそお越しいただきました」



フロントに行くとラヴはアシュリーとレオンを抱きながら、ホテルの説明を聞く。




「最上階の一番見晴らしのいいお部屋ですので、窓からの風景をお楽しみ下さい」



ラヴは鍵を受け取る。



するとホテルの支配人がやってきて、ラヴに話し掛ける。




「ラヴ=エンドロール様、是非サインを一枚書いては頂けないでしょうか?当社に飾らせて頂きたいのです」



支配人が色紙を取り出すと、ラヴは少し躊躇する。




「…今日は家族旅行で来たので仕事は遠慮したいのですが」



ラヴがそう言って笑うと、支配人はがっくりと肩を落とす。



「ラヴ、サインくらいしてあげたら?」

「いえ、今日の私はテレビに出ているラヴじゃありませんから」



ラヴはアキにニッコリと微笑む。




「すみません、ジェントルマン。また仕事で利用させて頂く時に必ず」

「はい、楽しみにしております」



支配人はラヴに頭を下げる。




「では部屋へ行きましょう、アキ」


ラヴはアキの手を取り、最上階へと向かった。
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