Dearest
高級感を漂わせる透明のエレベーターに乗る5人。



「ラヴ、あたしさっき嬉しかったよ」

「さっきですか?」

「うん。仕事と家庭をちゃんと分けてくれてるんだなぁって思って」



アキはアシュリーとレオンを抱えるラヴにすり寄る。




「はい、家族でいる時間は何にも捕らわれずに過ごしたいですから」



暫くすると、5人を乗せたエレベーターは最上階に着いた。




「…それにしてもこの子達起きないね」

「はい、とても幸せそうな顔で眠ってます」


2人は子どもたちを見て微笑んでいた。




部屋に着くと、そこはホテルの一室なのかと思うくらい広く、高そうな家具やら花瓶やらが置いてあった。



大きな窓の前に立つと、目の前には海が一面に広がっていた。




「うわぁ…すごい。海の中にいるみたい」



アキはサミュエルをベッドに寝せると、窓に張り付いて一望出来る海を眺めた。




「もっと普通の部屋でよかったのに」

「いえ、初めての家族旅行ですし、何より新婚旅行も兼ねてますから。これくらい当然です」



ラヴはアキの横に立ち、海を眺める。
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