Dearest

「私は海の近くに捨てられていたそうです」



ラヴは遠くを見つめながら呟く。




「じゃあラヴは人魚の子どもだったのかもしれないね」



いきなりそんな事を言うアキに目を見開くラヴ。




「人魚のお母さんは海でしか生きられないから、ラヴを人間に預けたのかもしれないよ」


「…はは、アキは可愛い事を言うんですね」



２人は子ども達が目覚めるまで、窓の前で海を眺めていた。




「うーん…アキ、お腹空いたぁ」



レオンはあくびをしながら、アキに駆け寄ってきた。




「レオンやっと起きたね。夕飯はまだだから、アシュリーとサミュエルが起きたら海の方に散歩行こうか。何かお店があるかもしれないよ」

「うん!!行く」



レオンは待ちきれないのか、１つだけある部屋のベッドで寝ているアシュリー達の所へ走っていった。




「起きろアシュリー！お漏らししてるぞ!!」



レオンはアシュリーを揺さぶる。




「えっ!?まじか」


レオンの声に反応し、バサッと起きるアシュリー。




「嘘ぴょーん♪」

「…ッ!!死ねっレオン」

「うわーん!!アシュリーが殴ったぁぁ」



アシュリーに殴られたレオンはアキに駆け寄ろうとすると、寝返りをうったサミュエルにつまづき、レオンとサミュエルはベッドから落ちた。




「ナイスだ、サミュエル」

「？？？」

「いったーい!!サミュエルのおバカぁ」



何が起きたかわからないサミュエルはきょろきょろと周りを見渡す。




「ああ、起きると騒がしいわね」

「ですね」



ラヴとアキは３人の元へ行くと、５人はホテルの外へ出た。