Dearest
浜辺を歩くと海風が通り抜ける。


まだ夏ではないからか人はあまりいないが、逆にそれが心地良かった。




「俺、泳ぎたーい」


レオンが海へと駆け出した。




「駄目よ、レオン!風邪引くよ」

「馬鹿は沈んでろ」



レオンに駆け寄るアキの後ろからアシュリーは呟く。




「海は夏になったら入ろうね?」

「やだやだやだぁ」

「レオン、風邪を引いたら大好きなサッカーが出来なくなりますよ」



駄々をこねるレオンはラヴの言葉に渋々頷いた。




「お母さん、これあげます」


サミュエルはアキに白い貝殻を渡す。



「わぁ綺麗。ありがとう、サミュエル」



アキは貝殻を受け取ると、サミュエルの頭を撫でる。



それを見たアシュリーとレオンは、何やら浜辺をほじくり始めた。




「何してるの?アシュリーとレオンは」

「俺もアキに貝殻探してんだよ」

「俺も―♪」



アシュリーとレオンを見たラヴも浜辺をほじくり始める。
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