Dearest
「私も見つけてアキに頭撫でてもらいます」

「ラヴまで。もう、子どもなんだから」



一生懸命浜辺で貝殻を探す3人をよそに、アキとサミュエルは波打ち際で海を眺めていた。




「アキ、見つけたよ―♪」



レオンはアキにオレンジの貝殻を渡す。




「ありがとう、レオン」



アキはレオンの頭を撫でる。

すると今度はラヴがやってきた。




「アキ、私も見つけましたよ」



ラヴがくれた貝殻は綺麗なピンク色だった。




「ありがとう、ラヴ」



アキがそう言うとラヴは少し屈んで頭を突き出す。




「何?ラヴ」

「私も頭撫でてほしいです」



子どものようなラヴの姿に笑いながら、アキはぐしゃぐしゃとラヴの頭を撫でた。




「見つからねーっ!!どこだよ貝殻!!」



中々貝殻が見つからないアシュリーは、浜辺は勢いよく掘り出した。




「その気持ちだけで嬉しいよ?」



アキはアシュリーに近寄り、アシュリーの頭を優しく撫でた。




「男に二言はねぇんだよ!!」

「…ねぇ、いつも思うけどアシュリー本当に小学生?」

「うるせぇ、黙ってろ」



アキの横で一生懸命穴を掘るアシュリーの足元を見るアキ。




「アシュリー、何か踏んでるよ」



アシュリーの足元には粉々になった青い貝殻があった。




「綺麗。こんな色の貝殻あるんだね」

「あー、いつの間に踏んだんだこれ」



アキはハンカチで粉々になった貝殻を包む。




「ありがとう、アシュリー。大切にするよ」

「…あぁ」



アキは大事に貝殻をくるむと、アシュリーと共に海を見つめるラヴ達のもとへ走った。
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