光と闇さえ叶わぬ願い
「あ、ねぇ、翔。この前さ、優さんの所、遊びに行ったんだけどさ…」
「うん。」
昼食中、翔と2人で話していた時、何かに弾かれた様に思い出させられたこの話題。
ーーー話さなきゃいけないの忘れてた。
「その…近々、氷が現れるって言ってたんだ。だからさ…」
「…オレらもそろそろ、本家に顔出した方が良さそうだな…」
「うん。」
「いつ行く?」
「うーん。善は急げって言うし、今の話題の思い出し方も気になるし…」
「今日行っちまうか?お前、バイトは
?」
「うん。偶然な事に、今日休みなんだ。
」
そうして思う。
この世に偶然なんてコトバはあるのだろうか…。
「っつか、帝がいるかわかんねぇじゃん。」
「あ、そしたら綺斗に聞いてみるよ。あいつ、どうせ午後からだろ?一緒に連れてってもらえば良いよ。」
「それもそうだなー。オレは今からバイトなんだ。綺斗の午後の講義が終わると前には上がるから、連絡よろしくな
。」
「了解ー。」
そして昼食を食べ終わった僕らは、それぞれ別れ、僕は綺斗に電話を掛ける。