光と闇さえ叶わぬ願い

プルルルルーーー…
ぷルルルルルーーー… ガチャっ

[もしもし]
「.あ、もしもしー?千春だけど…綺斗、元気ー?」
[元気じゃなきゃ講義なんてめんどくさいもん受けに来ねぇよ。帝のお守に疲れてるだけだ。]
「…主に対してそんな言葉使い…。許されないよ?」
[本家にじゃないから良いんだよ。で。何の用だ?ただ近況報告のだめに電話してきたんじゃないだろ?]
「あ、そうそう。この前さ、優さんの所遊びに行ったらさー。」
[…氷のことか?]
「ご名答!だから、僕らもそろそろ本家に顔出さなきゃマズいかなぁって…」
[ぃ、そのことなら、もうお前ら2人以外は全員本家入りしてるぞ。]
「マジで!?僕ら、今日は顔出しだけのつもりだったのに…。こりゃ、僕らも本家入りしなきゃだめカナ…?」
[まぁ、別に今日じゃなくても良いぞ。近いうちに本家入りしてくれれば大丈夫だ。]
「わかった。翔と相談してみるよ。でさ、今日の講義が終ったら、僕らも本家連れてってー。」
[…半分はそれが狙いで連絡したんだろ。大丈夫。帝はいつでも暇人だ。]
「うん。ちょっと思った。」
[講義終ったらまた連絡する。]
「はいよー。じゃねー。」

ブッ プー プー プー プー。


寂しく鳴るケータイの機械音。

「この音聴く度に世界に置き去りにされた気分…。」
ーーー僕だけかな?


そして僕は、綺斗の講義と翔のバイトが終わるまで、大学にある喫茶店で時間を潰す事にした。



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