恋愛短編集
結局、穂佑実は用意されたリムジンに乗り込む。
助手席には、一哉が座っている。
穂佑実は溜め息混じりに窓の向こうを見た。
「穂佑実ちゃん、不自由なのは仕方ないよ。弥一は一応、若頭なわけだし」
「頭では分かってます。……しょっちゅう外に出たい訳じゃなくて」
一哉は口元を緩めた。
「そうだよね。ただまぁ、人が多いところは護衛が難しいから。何かあってからだと遅いから」
穂佑実は備え付けの小さな冷蔵庫からピンクグレープフルーツジュースを取りだし、蓋を取ると口元に運ぶ。
「……おいし」
「弥一もさ、狂愛だよね~。穂佑実ちゃんが欲しくてたまらないみたいだよ。出張の度にこれじゃ、穂佑実ちゃんがもたないよね」
穂佑実は首を左右に振った。
「滅多に壊さないから、大丈夫です」
「今のうちだよ~?妊娠したら、大変だろうね」
「え?」
「ないとは思うけど、ほら、欲求不満?」
穂佑実は、露骨な言葉にむせた。
助手席には、一哉が座っている。
穂佑実は溜め息混じりに窓の向こうを見た。
「穂佑実ちゃん、不自由なのは仕方ないよ。弥一は一応、若頭なわけだし」
「頭では分かってます。……しょっちゅう外に出たい訳じゃなくて」
一哉は口元を緩めた。
「そうだよね。ただまぁ、人が多いところは護衛が難しいから。何かあってからだと遅いから」
穂佑実は備え付けの小さな冷蔵庫からピンクグレープフルーツジュースを取りだし、蓋を取ると口元に運ぶ。
「……おいし」
「弥一もさ、狂愛だよね~。穂佑実ちゃんが欲しくてたまらないみたいだよ。出張の度にこれじゃ、穂佑実ちゃんがもたないよね」
穂佑実は首を左右に振った。
「滅多に壊さないから、大丈夫です」
「今のうちだよ~?妊娠したら、大変だろうね」
「え?」
「ないとは思うけど、ほら、欲求不満?」
穂佑実は、露骨な言葉にむせた。