恋愛短編集
元々、海外で生まれ、幼少時代、海外で育った。

両親の都合で日本に来たのは、小学校卒業してからだった。

両親から日本という場所は聞いて居たものの、海外との違いに戸惑いは隠せずに何年か過ごしたのだった。

「何ヵ国喋れるの?」

「えっと、英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、日本語くらいです」

一哉は軽く拍手をした。

「南が多いんだね~」

穂佑実は、軽く頷く。

「元々、フランスに二年いて、ポルトガルに三年、スペインで一年暮らしましたから」

「お隣同士な国だからね~。暖かかったでしょう」

「はい。海も近くて。スペインとポルトガルは本当に近かったので、楽しかったです」

穂佑実は、窓の外を眺めながら、昔を思い出す。

「スペインもポルトガルも魚介類が美味しいよね~。勿論、日本も捨てがたいけどね」

穂佑実は力強く頷いた。

「はい!本当に」

二人はしばらく会話を続けていると、目的地に到着した。
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