恋愛短編集
「お前も災難だなぁ~。前回はなんだっけ?」

「音楽フェスタ」

私は軽く息を吐く。

「どちらも人数が多いのが問題だ。できるだけ、目立たない格好で頼む」

「了解。にしたってなぁ……姫たちもヤバいんだろうけど、バレたら、お前もヤバいんじゃないか?若も怖いけど、葉大(ようだい)さまもオッカナイだろ?」

私は苦笑しかできない。

「それは分かっている。だからって、仕事を放棄はできない。まして、穂佑実さまは葉大さまの義妹さまでもある。私がやらないでどうする」

「どのみち、葉大さまがキレるのも時間の問題だろうな。早い内に引き継ぎやっとけよ」

「……そうだな」

パソコンの電源を入れながら、私は軽く息を吐く。

「私の後任等については、また日を改める。最悪な事に、大晦日に決行だからな」

「は~?了解。健闘を祈る」

そういって、通話は終了。

わたしはパソコンで、徐々に作成しつつある引き継ぎのマニュアルを作成することにした。

ちなみに、今は自宅である。一般企業なら、仕事を持ち帰る、という事になるだろうか。
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