Fragile~思い出に変わるまで〜
全て平らげたところで健が口を開いた。


「昨日はちゃんと理由も言わないで遅くなってごめんな?」


「うん……

こんなこと初めてだったから少し驚いたけどね

遅くなるって連絡はくれたわけだし、大丈夫だよ」


あまり申し訳なさそうに謝るものだから、ついそんな風に言ってしまう。

「それに、理由もちゃんと後で話してくれるって言ってたから、信じてたし」


健がうまくごまかそうなんて思ってるとは思ってなかったけれど、ちゃんと説明してほしかった。


だから少しだけプレッシャーをかけてみる。


「実はさ……」


少し言いにくそうに健は私の顔を伺う。


私も目を逸らす事なく、健の次の言葉を待った。


「藤森と……会ってたんだ……」


「……っ!」


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