Fragile~思い出に変わるまで〜
健の言葉に敏感に反応して涙が溢れてくる。


でもここで泣いたら健がちゃんと話してくれなくなるかもしれない。


そう思ってなんとか涙を留めて、気持ちを落ち着かせようと、軽く深呼吸した。


少しずつ冷静さを取り戻してから、今度は私から口を開く。


「藤森さんの方から連絡あったの?」


精一杯、普通に言ったつもりが、少し鼻声になってしまった。


「あぁ……うん

実はクラス会でみんなとアドレス交換してたんだよ

それで藤森にも教えてたから、メールがきてさ」


藤森さんとだけ教え合ったわけじゃないと言いたいんだろう。


たくさんの人に教えたうちの一人だって……


でも私は、健が彼女に連絡先を教えていたこと自体がショックだった。


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