Fragile~思い出に変わるまで〜
「それで……

どうして……会うことになったの?」


震える声を押さえながら、とぎれとぎれに聞いてみる。


「藤森から相談したいことがあるってメールがきてさ

親にも言えないって切羽詰まってる感じで……

俺くらいしか相談出来るやつが見当たらなかったみたいなんだよ……

奥さんもいるのに申し訳ないって謝ってた」


何……それ?


健にしか相談できないってどういうこと?


彼女はわかってるんだ。


健が困ってる人を放っておけないってことを……


頼られたら断れないってことを……


あげくの果てに奥さんに申し訳ないって……


まるで怒ってる私が悪者みたいじゃない!


だんだん悲しみが怒りに変わってくる。


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