Fragile~思い出に変わるまで〜
このメールだけでも、ずいぶんと気を遣ってくれてるのがわかる。


それでも私は、あえてそっけない文面で返信した。


いつもなら、もう少し優しい言葉をかけてあげられたのかもしれない。


でも……


許したとはいえ、それだけ私の心は知らず知らずのうちに傷ついていたんだと、改めて思った。


だからこそ美咲にすべてを打ち明けてスッキリして、また健と向かい合いたい。


今夜はそのための充電の時間だ。


それにしてもメールのやりとりでずいぶん時間をとってしまった。


すっかり冷めてしまったランチをがんばって流し込む。


――午後の仕事もがんばらなきゃ!


美咲と飲むために早く上がれるようにしたい。


そう思いながら、次の休憩の人と交替しにいく。

「唯ちゃん、ただいま

休憩ありがとう
次行ってきていいよ」


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