Fragile~思い出に変わるまで〜
「仕事が忙しいから、行けるかわかんないな」
クラス会の日にちが近づくにつれ、健はそう言って諦めたような顔をする。
最近、健は仕事が忙しく休むヒマもない。
私が行ってくればと提案したのも、気晴らしになればと思ったところもあるのだ。
本音は、彼女に会ってしまうことに不安を感じていたっていうのに……
「でも、遅れてもいいし、最悪2次会からでもって幹事さん言ってくれてるんでしょ?」
行ってほしくはないくせに、私はそう理解ある妻を演じる。
健の残念そうな顔を見ると、可哀想になってしまうのだ。
ほんと、私はつくづく健に弱い。