Fragile~思い出に変わるまで〜
申し訳なさそうに、私にそう言った美咲を心配させたくなくて……


ショックを受けているはずなのに、どこか客観的に見ている自分がいた。


「そ……っか」


なんとか声を搾り出す。


「美咲に心配させちゃったね?ごめんね?

教えてくれてありがとう」


自分の声じゃないみたい……


そう冷静に分析しながら笑顔でそう言うと、美咲がテーブルに置いていた私の手を強くにぎりしめた。


「ばか!無理して笑わなくていんだって!

私にまでいい子になってどうすんの?

さとみがどれだけ健を好きでいたか、ずっと見てきてるんだから、ショックなのはわかってる……

泣きたいときは泣いていんだよ?

文句言いたいときは吐き出さなきゃ!

全部相手の気持ちになって自分殺しちゃうのさとみの悪い癖だよ!

そんなんじゃいつか……
さとみの心が壊れちゃうよ……」


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