Fragile～思い出に変わるまで〜

そう誘われた理由を納得させて、すぐに返信した。


【そうだな？日曜までに時間もないし、打ち合わせしちゃおう

12時くらいには行けると思うから、会社のそばにあるカフェで待ってて！】


会社の近くはまずいかなとも思ったけれど、あまり時間もとれないので、その店でとりあえず妥協した。


仕事をある程度形にしてから時計を見ると、11時50分を過ぎていた。


――やべっ！もうこんな時間。


慌てて席を立つと、上着を掴んで乱暴に羽織った。


「あれ？課長、外出ですか？」


珍しいですね？とでも言いたげな顔で桜井が俺を見上げる。


「あっ……あぁ、ちょっと友人が近くまで来てるから、昼は外で食ってくるわ」


こいつに見つかったらやっかいだな……と内心思う。