Fragile~思い出に変わるまで〜
今日は朝から体調がすぐれなかった。
最近では、食事も喉を通らなくなってきている。
吐き気すらもよおすほどの具合の悪さに、有給を取ろうと職場に電話をかけた。
10年間仕事をしてきて、こんな風に有給を取ることはほとんどなかったから、電話の向こうで課長も驚きを隠せない。
心底心配そうに私を気遣って労りの言葉をかけてくれた。
そんな課長の優しい言葉にさえも敏感に反応して涙が出てしまうほど、私は弱っていた。
ベッドの中で怠さと戦いながら、……今朝も健は目を合わせてくれなかった……と悲しみが襲う。
最初は仕事に行くつもりで用意して、健にも朝食を作り、見送ったのだ。
でもそのあと急に強い不安感と吐き気に襲われ立ち上がれなくなってしまった。