Fragile~思い出に変わるまで〜
いったい、なんだったんだろう?
仕事が終わり、重い足どりで家への道を歩きながら、今日の桜井を思い出す。
友達のことであんなに悩むなんて……
いつものおちゃらけたあいつにしては珍しいほど落ち込んでた。
いや……落ち込んでたというより、怒りの方が強かったか?
なぜか俺にも、その怒りが向けられていたような気がした。
最後にはいつもの桜井に戻っていたけど、どうも腑に落ちない。
まあ……あいつはさとみを気に入ってるから、その友達と同じような思いをさせるなって意味なのかな?
勝手に解釈しながら、ふと……あることに気づいた。
そういえば、最近さとみの顔をちゃんと見ていないような気がする。
特に意識はしてなかったけれど、日曜のたびに出かけていることへの後ろめたさなんだろうか?